HSPと

HSPを自覚した中年管理職プログラマの のっぴきならないノンフィクション

読書まとめ2020年8月分

月一の読書まとめ2020年8月分です。
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子供との生活リズムに慣れました。読書のペースも掴めていい感じです。

8月は技術書や自己啓発書、ビジネス書は一冊も読めていません。自分の中で気分的な落ち込みがある時はこれらの本を避けてしまうので8月は気分の落ち込みが如実に出ているようです。

気分の落ち込みの原因はわかっていて10月に控えている復職です。半年間で精神の回復はある程度出来ているような気もしますが不安もやはり大きく・・・。うーむ。

今回も例によって読書メーターからコピペなので網羅されているだけです。読書メーターではネタバレ防止機能がありますが、このまとめコピペはその辺の配慮は一切無いのでご注意ください。


8月の読書メーター
読んだ本の数:16
読んだページ数:4674
ナイス数:280

神の値段 (宝島社文庫)神の値段 (宝島社文庫)感想
姿を見せない謎多き芸術家、川田無名。彼の作品を扱うギャラリーで勤める主人公佐和子。ある日上司の唯子が殺されてしまう・・・といったストーリー。(かなり雑な紹介)アートサスペンスというジャンルは初読だったが個人的にかなり面白かった。作者、アトリエ、ギャラリーの関係や、価値と値段、アートの在り方等々、初めて知れて興味深く読めた。一方でミステリーとしては結構薄めな印象。アート方面が濃厚で中盤くらいから殺人事件の事忘れてた(笑)それでも読んで良かったと思える作品だった。
読了日:08月01日 著者:一色 さゆり

飯所署清掃係 宇宙人探偵トーマス (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)飯所署清掃係 宇宙人探偵トーマス (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
オカルト研究家が上半身だけ焼かれた状態で発見される。刑事の榎木と土井のコンビ、そして清掃係のトーマスが事件を調査していく。正直な所、土井以外の登場人物の存在感がかなり薄く、主人公の榎木はキャラ的にともかくとしても、探偵役のトーマスはもう少しキレッキレの部分が欲しかったなと思う(緩い感じに終始しすぎ感)。あとそもそも宇宙人設定いるのか?という疑問も。宇宙人であることの含みは持たせているけどあまり活かされなかった印象。久々に早い段階で実行方法は推理できたのでそこはスッキリ。
読了日:08月03日 著者:中村 啓


世界でもっとも強力な9のアルゴリズム世界でもっとも強力な9のアルゴリズム感想
インデクシング、ページランク公開鍵暗号法、誤り訂正符号、パターン認識、データ圧縮、データベース、デジタル署名、決定不能性、これらについて参考例をもとに説明している。ソースコード等は一切無く、翻訳も明瞭なので(やや素養は必要だが)技術者以外にも楽しく読める内容。本書籍でこれらに興味を持ちより深く知るためにそれぞれの専門書を読むきっかけになりそう。てっきりソートやサーチといった内容かと思っていたが良い意味で裏切られて面白かった。決定不能性は私の知識が追いつかず理解できていないのでもう一度読もうと思う。
読了日:08月03日 著者:ジョン・マコーミック


放課後に死者は戻る放課後に死者は戻る感想
ある日手紙で呼び出され、崖から突き落とされる主人公。目を覚ますと別人になっていた。自分を突き落とした犯人を突き止めるべく調査が始まる。といったストーリー。青春ミステリー系で個人的にかなり面白かった。ミステリーが主軸にありつつも学生カーストや外見と内面の向き合い方による世界の見え方等も読ませる内容で素晴らしかった。伏線やタイトル名が最後に一気に回収されるカタルシスも良し。全然関係ないけど表紙の学生は小山くんだろうか?(高橋くんの特徴とは一致せず)だとしたら十分男前じゃない?※個人の感想です
読了日:08月06日 著者:秋吉 理香子


推理小説のようにはいかない ミュージック・クルーズの殺人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)推理小説のようにはいかない ミュージック・クルーズの殺人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
式典参加一行の帰路途中、船上で殺人事件が発生する。数学科の梨佳と推理小説好きの卯月の大学生コンビが事件を推理していく。結論からいうと普通(もちろん良い意味で)のミステリーといった感じだった。なんとなく変化球系を予想していて卯月が梨佳を陥れて犯人にしたてあげるストーリーを想像していたがハズレた。卯月の推理力が圧倒的で梨佳の数学科らしいロジカルな面がほぼ無かったのは残念。あとハッピーエンドではあると思うが梨佳の依存体質や卯月の腹の見えなさに、なんとなくサイコなものを感じてしまい闇を感じている。続編はありそう?
読了日:08月08日 著者:宮ヶ瀬 水

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)感想
殺人鬼フジコの自伝的な物語。陰々滅々で鬱々でかなり面白く本書を読んだ後に続編まで一気に読んでしまった。ただ本書読後すぐに読メに感想を書いておくんだったと後悔。続編を読んだ今となってはこの物語の構造を把握してしまったため、なんとも感想を書きづらくなってしまった。(「ループ」を読んだ後に「リング」「らせん」を読む感覚に近い)もしこれから本書と続編を読む方がいたら本書を読んだ段階で感想を書いておいたほうが良いと思う。人によっては続編を読まない方がイヤミス感が高いかも。私は本作のみの読後感の方が好き。
読了日:08月10日 著者:真梨幸子


真梨幸子 インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 (徳間文庫) (2012-11-02)   [文庫]真梨幸子 インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 (徳間文庫) (2012-11-02) [文庫]感想
「殺人鬼フジコの衝動」の続編。立ち位置的には関連した別物語といったところ。本作の主軸となる事件の展開で前作の真相が明らかになる。なんとなく前作は黒幕による保険金殺人+宗教的な仄めかしがありゾッとする感覚があったが本作で実際はサイコパス一族による殺人乱舞といった感じに着地してしまったなぁと個人的にはちょっと残念。ただ物語的にはすごく好きで一気読みだった。一家の血が流れるあのキャラが今後、何かしでかすんじゃないかと、もし続編があるなら楽しみ。
読了日:08月10日 著者:真梨幸子


数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)感想
別書籍で決定不能性について書かれていて、これが読み解けずモヤモヤしたので、習得したく本書を読み進めた。結論から言うと今の私には高度で特に終盤は全く理解出来なかった。表面上の難解さもさることながら、もっと根本の数学や算術といった世界の見え方を把握できておらず(本書の言葉でいうと「意味の世界」でしか見れていない??)何かピントがあわない感覚が読了まで続いた。もう少し積み重ねてから再読しようと思う。一応決定不能性についての輪郭だけは把握できたかな?といったところ。本書自体は読みやすく良書。(主に私の理解の問題)
読了日:08月14日 著者:結城 浩


非売品ゲームソフト ガイドブック (ゲームラボ選書)非売品ゲームソフト ガイドブック (ゲームラボ選書)感想
KindleUnlimited。レア化したゲームソフトの書籍のつもりで読み進めていたが夕闇通り探検隊等の王道系が紹介されておらず「おや?」と感じ、読後に「非売品」ゲームソフトの書籍であることに気付いた。内容は非売品ソフトのカタログ的内容で、発売後レア化したゲームの紹介本よりも数段マニアックなものだった。当時を振り返りつつ懐かしく思えるソフトがある一方で、マニアックすぎてついていけない内容もあり、こんな深い世界があるんだなぁと関心。
読了日:08月19日 著者:じろのすけ


ループ・ループ・ループ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)ループ・ループ・ループ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
ある日主人公は11月24日がループしていることに気づく。しかしループの心当たりが無いため自分は「モブ」の立場であると認識し「ループする原因の人物」を探し始める・・・。学園+ループ+ミステリという大好物のジャンルでとても面白かった。ループ系は主人公が孤軍奮闘する展開が多いが本書はモブであるが故(?)にループ仲間が増えていく構成が斬新だった。(ちなみにループのキー人物は孤軍奮闘している。)途中森川さんの話はグッときたので、できれば主人公は玉尾さんじゃなくて森川さんとくっついて欲しい感じはある。
読了日:08月19日 著者:桐山 徹也


三度目の少女 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)三度目の少女 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)感想
主人公は前世・前前世の記憶を所持した少女と出会い、生まれ変わりを防ぐため前前世の少女の生家を訪れる。そこで殺人事件に遭遇する。といった物語。超常現象は「真」する前提で展開。過去と現在の事件、主人公のトラウマ、少女の生まれ変わり等様々な要素が交錯し面白かった。超常現象にインパクトがあるものの、根底はしっかりとしたロジカルな構成で安心して読めた。次作の「推理小説のようにはいかない」の刑事コンビは本作から登場していた。裏の主役に今後なっていきそうな予感がある。
読了日:08月22日 著者:宮ヶ瀬 水


保健室の先生は迷探偵!? (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)保健室の先生は迷探偵!? (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
私立高校山瀬学園で、教師の惨殺死体を描いた油絵が廊下に飾られる事件が発生する。養護教諭の茂木は美術講師の椎名とともに調査をはじめる。全体を通して見るとスッキリとした内容だが個人的にはイヤミス感が少しあった。椎名は飄々とした掴みどころが無い人物像にしたいのかなと思ったが、(個人的に)良いところがあまり感じられず残念。あと「迷」探偵とあるが読者が想像するようなポンコツ的な要素は特になく無難にしっかりと事件に向き合い解決していた印象。事件や人間関係に「迷う」的な意味なのかな?と思ったり。
読了日:08月22日 著者:篠原 昌裕


薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
テルマン水尾と薬局で知り合った薬剤師毒島の薬を軸とした事件の短編集。薬を題材とした物語を読むのは初めてだったが知らないことだらけで興味深く読めた。どの事件も(主に毒島の活躍により)大事なる前に物事が収まる傾向があり、この物語自体が薬のメタファーのように感じた。4編あるものの、毒島の素顔が少し見え始めたといった感じでまだまだプロローグな印象。続編もあるようなので読んでみたいと思う。
読了日:08月24日 著者:塔山 郁


ラストは絶対、想定外。~スターツ出版文庫 7つのアンソロジー2~ラストは絶対、想定外。~スターツ出版文庫 7つのアンソロジー2~感想
どんでん返しをテーマとした7つの物語の短編集。久々に「あっ・・・」な内容で、全編巧くないというのが正直な感想。パラレルワールド、タイムマシン、インスタント感動風、霊等々が物語のオチとして差し込まれるが説得力のある物語構成になっていないため唐突感が強い。書籍名と内容の不一致が酷くかなり誇大な書籍名な印象。冒頭にあった「その1行であなたの世界は変わる」は一体何だったんだろう。「「実は特にラストに想定外は無い」というのが想定外」という読者心理を考慮した二重構造になっている可能性もあるか?(流石にそれは無いか)
読了日:08月27日 著者:いぬじゅん,小鳥居ほたる,櫻井千姫,灰芭まれ,八谷 紬,早迫佑記,岸本 歩子


甲の薬は乙の毒 薬剤師・毒島花織の名推理 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)甲の薬は乙の毒 薬剤師・毒島花織の名推理 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
薬剤師・毒島花織シリーズ第2段。薬を軸に展開する物語は堂に入る感じで面白かった。物語の構造上、ほぼ全ての出来事が大小問わず大事になる前に事態が収束するのだけれど今回はヒヤリとする場面もあり少しだけドキドキした。薬剤師の立ち位置や純粋に薬の知識だったりについて今作もためになった。目黒のあの施設は私も大好きで毒島さんが行きたいスポットに挙げていたのにはニヤリとしてしまった(目黒駅指定の場面で直感的に悟り、そして予想が当たっていたので嬉しかった)。今後、コロナ禍の世情を反映するのかは気になる所。
読了日:08月28日 著者:塔山 郁


婚活島戦記 (宝島社文庫)婚活島戦記 (宝島社文庫)感想
IT業界の寵児桐生の花嫁を決めるための孤島サバイバルに勝ち抜くのは誰か。と言った内容。表紙絵や書籍名からバトロワ+バチェラー(+ギャグ路線)を想像したが中盤くらいで毛色が変わり思ったよりシリアス路線になっていった。元アングラ格闘家の主人公アマガキがとても魅力的だったが最初のガラスを割る場面が活躍のピークで以降は終始苦戦する描写ばかりでヤキモキ(特に主要人物2人に格闘で負けそうになったのは残念)。後は桐生一族の短命の謎がほっぽられているような気がした。だけど総じてとても勢いがあり、とても面白かった。
読了日:08月30日 著者:柊 サナカ



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